『ものつくり・匠の技の祭典2026』に参加してきました

ものつくり・匠の技の祭典2026 東京都畳高等職業訓練校

7月31日から8月2日まで開催された『匠の技の祭典2026』に、東京都畳職業訓練校として参加してきました。

この「匠の技の祭典」には、私も所属している東京都畳工業協同組合も出展しており、私は主に東京都畳職業訓練校のブースで、来場された皆さんへの対応を担当しました。

昨年は、低学年のお子さんでも参加できる「くるみボタン製作体験」を行いましたが、今年は東京都からの意向もあり、学生の皆さんにも職人の仕事を体験してもらえるよう、「畳の縁付け(平刺し縫い)」の体験を行いました。

畳縫い体験

「畳って、こうやって縫うんですね」

現在では、畳職人が畳を縫っている姿を実際に目にする機会も少なくなりました。

そのため、体験をされた方からは、

「昔、畳屋さんがこうやって縫っているのを見たことがあります。懐かしいですね」

という方もいれば、

「畳って、こうやって縫うんですね」

と、初めて畳の縫製作業を見た方もいらっしゃいました。

今回の体験では、針や手当金など、私たちが実際の仕事で使用している道具を使ってもらいました。

ただし、畳床については安全面を考慮し、体験用として非常に柔らかい稲藁床を使用しました。

3日間を通して、小学校低学年のお子さんから大人の方まで、幅広い年代の方に参加していただきました。

(お子さんが体験する場合には、作業には危険が伴うことを説明し、保護者の方にご了承いただいたうえで参加してもらいました。)

「下から針を出すのが難しい!」

体験されたほとんどの方が苦戦していたのが、針を下から上へ出す作業でした。

上から下へ針を入れることはできても、

「下から上へ針を出そうとすると、思ったところから針が出てこない」

という方が多く、

「難しいですね」

という感想をたくさんいただきました。

実際、畳の縁付けは簡単そうに見えて、狙った場所に針を出すにはちょっとしたコツが必要です。

普段何気なく見ている畳の縫い目も、実際に自分で針を持って縫ってみると、その難しさを感じていただけたのではないかと思います。

参加者の約7割が女性でした

今回、私が特に驚いたのは、体験参加者のおよそ7割が女性だったことです。

体験をされた方には、

「実は全国で女性の畳職人も活躍していますよ」

とお話しすると、驚かれる方も多くいらっしゃいました。

「畳職人=男性」というイメージを持っている方もまだまだ多いのかもしれません。

畳の仕事にもさまざまな技術や仕事があり、性別に関係なく活躍できる仕事であることを、こうした機会に知っていただけたら嬉しく思います。

畳縫い体験
畳縫い体験

「こういう仕事はAIに取って代わらないのかも」

体験の合間に、親子連れの方とお話をする機会がありました。

そのとき、お母さんがお子さんに、

「こういう職人の手仕事は、AIに取って代わらない仕事なのかもよ」

と話しているのが聞こえてきました。

その言葉を聞いて、私は少し考えさせられました。

これから子どもたちが将来の仕事や就職先を考えるとき、「AIにできる仕事なのか、人にしかできない仕事なのか」ということも、ひとつの判断材料になっていくのかもしれません。

畳職人の仕事も、今では機械によって効率化できる部分が多くあります。

それでも、機械だけでは作ることのできない畳があります。素材の状態を見極め、手の感覚で微調整を加え、その畳に合わせて仕上げていく。そこには、長年培ってきた経験と、人の手だからこそできる仕事があります。

今回の体験を通して、そんな職人の仕事の一端を感じてもらえていたら嬉しく思います。

普段はなかなか見ることのできない「有職畳」も展示

訓練生の生徒作品とともに、私が製作した「御神座(ごしんざ)」も展示しました。

御神座は、完全手縫いで仕上げる有職畳の一種です。

一般の住宅で使われる畳とは少し違い、普段の生活の中ではなかなか目にする機会のない畳です。

来場された方には、その用途や特徴について説明するとともに、

「現在でも、こうした畳は手縫いでなければ作ることができないものがあります」

ということもお話しさせていただきました。

実際の作品を見ていただきながら説明することで、普段何気なく目にしている「畳」の中にも、さまざまな種類や技術があることを知っていただけたのではないかと思います。

3日間、ありがとうございました

3日間を通して、本当にたくさんの方に畳の縁付け体験に参加していただきました。

自分で針を持って畳を縫ってみることで、少しでも「ものをつくる楽しさ」や「職人の手仕事の面白さ」を感じていただけていたら、私たちとしても嬉しく思います。

そして何より、3日間を通して一人もけがをされた方がいなかったことに、ほっとしています。

今回の『ものつくり・匠の技の祭典2026』を通して、畳という仕事に少しでも興味を持っていただけたなら、これほど嬉しいことはありません。

ご来場いただいた皆さま、そして体験に参加してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

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