先日、後輩君から声を掛けてもらい、あるホテルに入っている料亭の畳の張替え工事を手伝ってきました。
ホテル側の都合で、現場に入れるのは朝9時過ぎから。まずは道具を搬入し、作業場所を整えるところから始めました。
今回は、私を含め3人での作業です。
この料亭は数寄屋造りで、部屋のつくりだけでなく、畳の納まりにもこだわりが感じられます。
畳の割り付けも一般的な部屋とはかなり違っていて、一畳ごとの寸法も特殊です。
中には、長さが2m70cmある畳や、3m60cmにもなる畳がありました。
3m60cmというと、一般的な畳を2枚縦に並べたのと同じくらいの長さです。
これほど大きな畳になると、工場で完成させてから現場へ運ぶという方法にも、いろいろな問題が出てきます。
まず、その大きな畳を載せられる車を手配しなければなりません。
そして、車から建物まで、さらに部屋まで運び入れるための経路も確保する必要があります。途中に段差や狭い場所があれば、それだけでも大きな負担になります。
それならば、多少手作業が多くなったとしても、現場で仕上げた方が結果的に早く、きれいに、そして楽に作業できる場合があります。
今回も、そうした判断から現場で作業を行いました。
3m60cmの畳は、一般的な畳の約2畳分の長さがあります。そのため、作業台も一人分では足りません。
二人分の作業台を縦に並べ、その上で畳を仕上げていきます。
そして、完成した畳を部屋の中で取り回す時にも、かなり気を使います。
大きいだけでなく、長さがあるため、少し向きを変えるだけでも周囲の壁や柱、建具などに注意しなければなりません。
持ち運ぶ時も一人では難しいので、3人で息を合わせて運びます。
こうした作業は、単純に「力があればできる」というものでもありません。
畳の大きさや部屋の状況を見ながら、どこを持つのか、どちらから動かすのか、どの方向に回すのかを考え、声を掛け合いながら動かしていきます。
畳の仕事では、寸法通りに畳を作ることはもちろん大切です。
しかし、それだけではありません。
その畳をどこで作るのか、どうやって運ぶのか、現場でどう動かすのか。
一見すると畳そのものとは関係がないように思えることまで考えながら、最も良い方法を選んでいくことも、現場で仕事をする職人には必要なことだと思っています。
今回は翌日の営業までに作業を終えなければならず、しかも現場の都合で入れる人数にも限りがありました。
そのため、少人数で遅い時間までの作業となりましたが、3人で声を掛け合いながら作業を進め、無事に時間内に仕上げることができました。
私自身、現場での作業はこれまでにも数多く経験していますが、やはり気心の知れた仲間と一緒に仕事をするのは楽しいものです。
後輩君の仕事を手伝うという形でしたが、こうした特殊な現場に携わることで、改めて畳の仕事の奥深さを感じることができました。
畳は、部屋に合わせて作るもの。
そして、その部屋にどう納めるのかまで考えて仕事をする。
今回の現場では、そんな畳職人の仕事の一面を改めて感じることができました。


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