2026年最初の学び ― 山口県・荒川製畳所様での手縫い畳床研修

手床研修 小曽根畳店

2026年は、手縫い畳床(手床)の研修会からスタートしました。
1月5日・6日の二日間、山口県にある「荒川製畳所」様にて開催された手床研修会に参加させていただきました。
研修は朝一から行われるため、前日より山口県へ前乗り。年明け早々から、畳と真剣に向き合う貴重な時間となりました。
(上の写真は最後まで残っていた人達のみで撮影しました)


初めて目にした「おしまくり畳」

研修の冒頭では、非常に珍しい畳について学ぶ機会がありました。
それが「おしまくり畳」と呼ばれる畳です。大分県の一部地域でのみ確認されているそうで、私自身も実物を見るのは初めてでした。

構造はとても簡素で、藁の層はわずか二層。その上に畳表となる「七島藺」が縫われており、一見すると縁無し畳のようにも見えます。しかし、その縫い方は非常に簡易的で、通常の縁無し畳では考えられないような方法でした。
このような畳も、手縫い畳床の歴史を知る上での貴重な資料であり、実際に目にできたことに大きな興奮を覚えました。


締め直し作業と掛け縫い床の続き

その後は二手に分かれ、古い畳床の「締め直し」作業と、前年の研修会で途中まで製作されていた「掛け縫い床」の続きを行いました。
私は「締め直し」「手床製作」どちらの作業も経験はありますが、今回は改めて荒川さんに確認や質問をしながら作業を進めました。

作業場所や時間の都合上、数人で一畳を同時に縫い進めていきます。気になっていた点や細かな注意事項を、その都度確認しながら進めることができたのは、研修ならではの貴重な時間です。
※作業の細かい技術的内容については、今回は割愛します。


手縫いならではの緊張感

皆が細心の注意を払って作業をしていても、縫い進める中でミスや修正が出ることは避けられません。縫い終わった後に運針の違いが見つかれば、容赦なく「やり直し」となります。
精神的なダメージは大きいですが、結果的には素早くやり直すことが最も効率的であり、手縫いならではの厳しさと向き合う時間でもありました。


二日目は新たな手床製作へ

二日目はいよいよ新しい手床の製作です。
当初は筋縫いになると思っていましたが、まさかの「掛け縫い」で進めることになり、正直驚きました。

筋縫いと掛け縫いでは、縫いの手数も締めの作業量も倍近く違います。体力的にも集中力的にも、非常に大変な作業となります。
教えていただいた手順通りに藁を並べ、数人で一斉に縫い始めました。最終的には、縫い数もトータルで1000針以上に及び、まさに精神力との勝負となります。


地震と時間制限の中で

この日は島根県沖で大きな地震が発生し、交通機関にも影響が出ました。
翌日の予定がある方々は、早めに帰宅方法を調べ、日が暮れる前に帰路につくこととなりました。

最終的には残った数人で、できる限り作業を進め、すべての縫い工程を終え、荒締めの途中まで完了したところで今回の研修は終了となりました。残りの作業は、来年の研修会へ持ち越しとなりました。


畳に向き合う姿勢に学ぶ

全国から多くの畳職人が集まり、楽しい雰囲気の中にも緊張感のある二日間でした。
一針一針に向き合う真剣な姿勢に触れ、改めて自分自身も身が引き締まる思いでした。

最後に、この研修会を準備してくださった荒川さん、高橋さん、姫さん、そして往復の移動までお世話してくださった福田さん、本当にありがとうございました。
また来年も、ぜひ参加したいと思っております。

研修の締めくくりに

今回の研修では私の尊敬する畳職人でもある長崎県佐世保市の福田さんに、福岡空港からの往復移動でも大変お世話になりました。
せっかくの機会ということで、最終日にはいくつかの場所へ案内してもらい、山口県の長門國一宮・住吉神社、そして福岡県の宮地嶽神社を参拝してきました。

どちらの神社も、歴史を感じさせる建物の佇まいに圧倒され、静かな空気の中で心が引き締まる思いでした。
宮地嶽神社では「光の道」を拝むことはできませんでしたが、それでも境内の美しさは格別で、深く印象に残る参拝となりました。

研修で学んだ技術とともに、こうした人とのご縁や体験も大切にしながら、これからの畳づくりに活かしていきたいと思います。

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