11月15日、職業能力開発短期大学校・東京建築カレッジ様よりご依頼をいただき、「畳から考える 職人の手わざが生きる新しい建築空間」という講演を、新宿区のけんせつプラザ東京にて行いました。公開講座として開催され、一般の方、建築関係者、建築を学ぶ学生さんまで、幅広い層の方々にご参加いただきました。会場には畳に興味を持ってくださる方が多く、開始前から熱心に展示物を眺める姿が印象的でした。

第一部では、畳の基本構造や歴史、そして素材の違いが空間にどのような変化をもたらすのかという点を中心にお話ししました。実際にいくつか種類の異なる畳をその場に敷き、参加者の皆さんに自由に触れて踏み比べていただきました。天然い草の香りや踏んだ時のしなやかさ、和紙表や化学表との踏み心地の違いなどを体感していただくことで、言葉以上に畳の奥深さを感じてもらえたのではないかと思います。「柔らかい方が落ち着く」「この張りのある感じが好き」など、参加者同士で感想を共有する姿が見られ、それぞれに感触を感じ取ってもらえたと思いました。

第二部では、中野区の濱崎畳店・濱崎亮さんと共に登壇し、畳業界の現状や次世代に向けた課題、さらにはこれからの住空間で畳がどのように活かされていくのかについて、クロストーク形式で掘り下げました。地域の違いによる施工方法の工夫や、若い人たちに畳の魅力をどう伝えていくかといった実務に基づいた話題も多く、参加者との質疑応答も非常に活発でした。建築を学ぶ学生さんからは、素材選びや施工の考え方について具体的な質問もあり、こちらも刺激を受ける時間となりました。
今回の講演では、専門的な知識を持たない方にも理解しやすいよう、あえて専門用語を控えながら、畳の魅力と現場のリアルをバランス良く伝えることを意識しました。畳には「敷くだけの床材」以上の歴史と文化、そして職人が積み重ねてきた技があります。新築やリフォームの際に畳を選択肢に入れていただくためには、まずその背景を知ってもらうことが大切だと改めて感じました。
講演を通して、多くの方が畳の多様性や奥深い技術に興味を持ってくださったことを嬉しく思っています。これからも伝統的な技術を守りつつ、現代の生活空間に合う新しい畳の可能性を模索し、より多くの方に本物の畳の魅力を伝えていきたいと思います。ご参加いただいた皆さま、そしてこの機会をくださった東京建築カレッジの皆さまに心より感謝申し上げます。

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